『のんのんびより』が終わりました。

 

!!!警告!!!オタクのクソデカお気持ち長文怪文書です。

 

 

 

 

 

 

 

 

のんのんびより』(作品名)が終わりました。

 

月刊誌での連載が終了し、単行本も最終巻が発売され、そして間もなく第三期アニメ『のんのんびよりのんすとっぷ』が最終回を迎えました。連載終了とアニメ終了の時期を思いっきり被らせにきてオタクのライフはもうゼロです。11年間の連載お疲れさまでした。

のんのんびより』ってどんな作品なんだとか、ここがエモいんじゃ~みたいなお話は他の方々が自分なんかよりももっとわかりやすく的確な語彙でしてくださっていると思うので、そこんとこは軽くだけ触れるとして、今回は『のんのんびより』が終わったいまの自分のお気持ちをつらつらと綴っていくことにしたいと思います。

 

 

のんのんびより(アニメ)を見てる自分のお話

たしか初めて見たのってニコニコ生放送で一挙やってるときとかだった気がします。あんまり覚えていない。「なんかやってるから見るかー」って思って途中から見て、普通に面白かったので後で最初っから見てみようと思い、一期の第一話から見始めたら完全にやられてしまいました。

「一期第一話」でお察しかと思われますが、のんのんびより一期の第一話って冒頭から「映像は風景描写だけで、BGMにしっとりした音楽が流れている」って感じのNHKとかでやってそうなのが3分間ただただ続いているんです。完全に舞台の自己紹介って感じです。そこにやられました。それはもう、めちゃくちゃに。ぶのオタクハートを射抜くには十分すぎる演出でした。

この作品では一期第一話のここだけでなく、度々この田舎の空気を映すような演出が挟まっています。れんげたちの送るさりげない日常の合間合間にこの田舎の空気が主張してきて、村の空気が登場人物の一人のように扱われています。この作品の「ここすき」ポイントです。うーん、良い。そんなのんのんびよりの空気にすっかり惚れ込んでしまっていました。

そして内容も、ドタバタしたりしんみりしたりといった日常の中に、人、土地、家のそんなさりげない日常をふわりと抱きしめてくれる温かさや優しさが描かれており、温かさに飢えていた自分はまるで砂漠で水を得たオタクみたいに半ば狂人的にのんのんびよりの空気にのめりこんでいくのでした。

加え、皆さんご存知の通りこの作品はノスタルジーを全力投球でぶつけてきます。たぶん自分の中の過去って完全にウルトラ美化されたものなんだと思うんですけど、その「ウルトラ美化された思い出」を希釈せずに流してくるので、そんなん全身に浴びたらまあ泣きたくなります。特にお涙頂戴イベントがあったりとかするわけでもなくて、ただただ日常が描かれてるだけなんですが、まあ泣きたくなります。なんで人間ってノスタルジー浴びたら泣きたくなるんだろ

 

「のんのん日和」「おかえり」「ただいま」

そんなのんのんびよりの温かく優しい暴力性を助長させてくるのがED主題歌です。OP主題歌は聞いてて元気に遊ぶれんげたちや明るい日常のようなものが感じられ、こちら聞いてて元気になってくる楽曲なんですが*1、ED主題歌は曲調からしんみりとしていて、歌詞がこう、やべえです、すごい。

「のんのん日和」「おかえり」「ただいま」がそれぞれ一期二期三期のED主題歌の曲名です。アニメ『のんのんびより』の内容でノスタルジーのメガトンパンチにノックアウトしているときに踵下ろしで追い打ちをかけてくるような歌です。のんのんびよりの描くノスタルジーを余すことなく言語化したような歌詞で、「これが『のんのんびより』や!」って感じです。のんのんびよりで描かれる、綺麗な風景とか、季節の顔だとか、何もない日常だとかを歌って我々にとどめを刺しにきています。どこが良いみたいな話は「聞けばわかる」ってやつなんでわざわざ自分が言いなおす必要もないと思います。特に「おかえり」を聞いたときは疲れました。世界一優しいおかえりを待ってるのって「場所」なんですよね……

自分にとってこれらED主題歌はとにかく優しくて、いつ聞いても温かさを感じられる大切な歌々です。これが言いたかった。

 

のんのんびより最終回

最終回は本当に最終回でした(?)

今まで一期二期三期と同じ一年をぐるぐると回っていて所謂サザエさん時空だったんですが、最終回(三期12話)でついに時間が動き始めました。エンドレスエイ…

それを読んでいる(原作を先に見ました)ときの気持ちはひたすら「時間が進んでる…」って気持ちでした。越谷卓は中学校を卒業し、宮内れんげは小学2年生になり一条蛍は小学6年生になり越谷夏海は中学2年生になり越谷小鞠は中学3年生になります。嘘だろれんげずっと小学1年生だったじゃん……。しかも追い打ちをかけるように「この子*2が小学校に入る頃にはれんげも中学生だね」みたいな発言があって、ぐ、ぐえー。子供ってただいまとおかえりを繰り返して大きくなっていくみたいです。

そんでもってアニメ版最終回ではついにフル尺の「ただいま」が流れたんですが、「ただいま」って今までののんのんED主題歌では(多分)あまり歌われてなかった成長とか未来のお話がダイレクトに歌われてて、それがフル尺になって最終回で顔を出していました。ぐ、ぐえー。終わりです。こんな7年半がかりの隠し玉ある*3

そんな最終回ですがれんげたちにとっては結局は春夏秋冬が巡る中の一日に過ぎません。その日もいつもと違うお天道日和をもって『のんのんびより』は幕を閉じました。

 

 

のんのんびより』最終話が終わって

原作『のんのんびより』が終わり、アニメも終わりました。二期の終わりとは違って原作も終わっているので本当にここまでです。たぶん。

ずっとずっと同じ一年を見ていたんですが、最終回でついに時が進み我々が今まで見ていた『のんのんびより』は過去のお話となりました。今思うと同じ一年を何回も見ているのって発掘したビデオテープをつぎはぎで見ているみたいな感じです*4。「あんなことあったね、こんなことあったね」って言いながら*5。埃被った思い出が何より宝物なんだそうです。

さっきから時間が進んでみんな卒業したり入学したり学年が進んだりして勝手に成長を感じてしみじみしちゃっているわけですが*6、これしてる我々って完全に「近所のおばさん」じゃん。ウケる。村の子供たちの日常を撮った昔のビデオテープを見てる近所のおばさん。おまわりさんこいつです。

そういえばZAQさんがよくnano.RIPEさんの曲を「絵本みたい」って仰っているそうなんですが、なんだかZAQさんのはホームビデオって感じがします(個人的な感想です)。

 

作品中のれんげたちは最終回でやっと時が進んで、ありきたりな表現だけど彼女たちの日常は我々の見てないところで続いています。『のんのんびより りめんばー』という短期連載も決まっているので、きっとまた彼女たちの日常を(どういう時空かはわかりませんが)覗かせていただける機会があることでしょう。8月にイベントも開催されるのでそこでまたれんげたちに会えるかもしれません。作品は終わっても無くなるものではないので、何年が経っても我々にとっての埃被った思い出となっていることでしょう。

のんのんびより』は優しさや温かさを教えてくれた本当に大切な作品です。原作者あっと先生はじめ制作に携わった方々には本当に感謝の念が尽きません。これからもずっと自分にとって大切な作品となっていることと思います。なんか謝辞みたいな文章になっちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はよ寝ろや

 

 

 

 

 

 

nonnontv.com

 

*1:と思うがフル尺で歌詞見たりすると割としんみりしたりする

*2:最終回で生まれた「かすみ」

*3:一期って何年放映だっけって調べようとしてwikipedia見たら「2009年11月号(9月26日発売)から2021年4月号(2月26日発売)まで連載された」って書いてあって終わった事実つきつけられて泣いちゃった

*4:特に二期12話の定点カメラとか「本当に何もない日常を撮っただけ」って感じすごくないすか

*5:たぶんこれからのオタクたちは本当にこんなこと言ってると思う

*6:これについて最終回でこのみが触れていました。この人だけ別時空で生きてるんか?